中央大学は比較的オーソドックスな出題傾向でありながら、高い基礎学力と短時間で大量の問題に解答する処理能力が求められる大学として有名です。
合格には中央大学用の受験勉強をする必要があり、入試傾向を理解したうえでの対策が欠かせません。
今回は、中央大学の入試傾向から見る教科別のポイントについて解説します。
少しでも合格可能性を上げたい人は、ぜひチェックしてみましょう。
中央大学のレベルと強化すべき勉強ポイントは?
まずは、他大学と比較したときの中央大学のレベルを把握しておきましょう。
学習全体に共通するポイントにも触れるので、ご参考ください。
中央大学全体の偏差値は【52.5 – 62.5】
中央大学全体の偏差値は、年度により多少異なりますがおよそ52.5~62.5の範囲で推移します。
人気が高く倍率も上がりやすい学部では、62.5を超えることもあるので注意しましょう。
反対に、穴場学部や定員ギリギリの学部では52.5以下になることもあります。
ただし、狙い目の学部であっても偏差値52.5あれば確実に合格するとは限りません。
あくまでも中央大学側のアドミッションポリシーに合致しない学生に合格が出ることはなく、最低限大学側が求めるレベルには到達している必要があります。
また、下記の中央大学内偏差値ランキングも参考にしてみましょう。
第1位:国際経営学部(偏差値60.0)
第1位:国際情報学部(偏差値60.0)
第3位:法学部(偏差値57.5~62.5)
第3位:総合政策学部(偏差値57.5)
第5位:商学部(偏差値55.0~60.0)
第6位:経済学部(偏差値55.0~57.5)
第7位:文学部(偏差値52.5~57.5)
第8位:理工学部(偏差値52.5~57.5)
中央大学の試験出題難易度は【標準~やや難しい】
中央大学の出題難易度は、標準からやや難しいレベルです。
教科書のレベルを大幅に超えた難問・奇問は出ませんが、資料集の片隅に掲載されている情報や時系列なども含む総合問題が扱われるので注意しましょう。
また、中央大学独自のデータ・資料(史料)・写真・図版などが用いられることもあり、一般的な知識を使う問題でも一見難しく見えることも特徴です。
初見力を高めて、どんな問題でも慌てず知識をフル動員する癖をつけておく必要があります。
合格に必要なのは【抜けのない基礎力】の強化
中央大学合格に必要なのは、抜けのない基礎力の強化です。
前述の通り、中央大学は極端な難問・奇問を扱うことがありません。
一方で基礎知識があることを前提にした応用問題を扱うケースが多く、「そもそも基礎を知らないと取っ掛かりすら掴めない」という問題が多いのです。
苦手単元を作らず、どの分野でも標準以上の点数を取得できるよう漏れなく学んでおくことが欠かせません。
法学部に受かるには特に【英語力の強化】が重要
法学部は中央大学の看板学部であり、毎年多くの受験生が出願します。
近年はグローバルなリーガルマインドを求められることが増えており、中央大学法学部も英語学習に力を入れるようになりました。
この傾向は、在学中の英語学習を充実させるだけでなく、そもそもの入口である入学者の選定にも現れています。
英語の配点が高めに設定されている学科・入試形態が多いので、特に英語力は十分に強化しておきましょう。
中央大学の入試傾向から見る教科別勉強法のポイントは?
下記では、中央大学の入試傾向を紹介します。
教科別にピックアップしますので、受験勉強にお役立てください。
英語|語彙・文法語法の知識&速読力をつける
年によって読解問題のテーマは異なりますが、社会・文化・国際などのテーマを扱う傾向が強いです。
反面、テクノロジーや生命科学に関する出題は少なく、専門用語の暗記は少なくて済むでしょう。
一方、基本的な英単語は幅広く網羅し、ひとつの和訳に限定しない柔軟かつフレキシブルな読解の基礎となることが求められます。
単語やイディオムを知らないとそもそも解けない問題が多いため、テーマ別の対策をするより基礎力を重視する対策の方がよさそうです。
試験開始と同時にまずは全体的に軽く目を通し、時間配分を大まかに決めておくことが肝心です。
基本的には80分のうち60分程度を大問2以降に使うイメージを固め、逆算しながら解いていきましょう。
数学|各分野の証明問題・公式に慣れる
中央大学の数学に目立つ難問・奇問が出るケースはほとんどありません。
そのため、国公立や早慶にも対応できるような高いレベルの対策をするよりは、基礎・基本寄りの対策に時間を割き、何度も同じ難易度程度の問題を反復するのがよいでしょう。
ただし、微積分に限っては他よりも難易度が高めに設定されている割合が高いため、微積分単元のみハイレベルな対策をしておくことをおすすめします。
そう難しい問題は出題されないため、まずは「点を落とさない対策」を重視しましょう。
国語~現代文~|多分野の文章にふれ演習力をつける
中央大学の現代文は、問題文の量が多い傾向にあります。
目を通しているだけであっという間に時間が経過してしまいますので、ある程度テクニックに頼った読解が必要になるシーンが出てくるでしょう。
長文問題に取り組むときは、常にストップウォッチを携帯しながら時間を意識していくことが重要です。
一朝一夕には身につかない能力ですので、長期的なトレーニングが欠かせません。
また、社会論・芸術論・コミュニケーション論・政治論・経済論など内容は多岐に渡りますが、堅めの文体で記されていることが多いため、慣れておきましょう。
新聞の経済面・国際面などを活用し、文に触れる機会を多くするのがポイントです。
国語~古文~|語彙・文法の基礎を徹底する
中央大学の古文は、他大学と比較しても標準的なレベルです。
まずは基本的な古文単語をマスターし、読める文章の幅を増やしておきましょう。
特に、文脈により意味が異なる古文単語が頻出である傾向が強いため、注意が必要です。
丸暗記だけに頼らず、文中での使い方も意識しながら覚えましょう。
助詞・接続詞など現代文の論説文を読む際に必要な文法は、古典でも同様に抑えておく必要があります。
文章内の位置関係だけでは憶測できないような古典文法も多いため、「現代語訳ならこうなるはず」という先入観を持たずに取り組むのがポイントです。
世界史・日本史|歴史の背景や因果関係を掴む
中央大学の日本史・世界史は、僅かな違いを指摘するようなややこしい正誤問題が多いです。
日本史・世界史の勉強をする際はどうしても新出単語の暗記ばかりに気を取られてしまいますが、年号・人物・地域に至るまで、関わる全てを暗記する必要があるでしょう。
単語をバラバラに覚えるのではなく、前後関係や因果関係を理解しながら知識として定着させることが欠かせません。
また、どの学部でも、必ずと言っていい程史料問題が出されています。
学部によっては資料集に掲載されていない史料を活用することもありますので、初見レベルを高めておく必要があるでしょう。
見たことのない史料のどの部分に着目するか、いくつかパターンを見て慣れておくのがよいでしょう。
公民|語彙の定義やまつわる背景を捉える
政治経済など公民分野では、語彙の定義や背景に関する問いが多いです。
語彙の定義については、単語の意味だけでなく除外される適用範囲や特殊条件についても対応する必要があるので注意しましょう。
背景については、法律・法令が誕生した理由・目的・意義・現在の効果に至るまで幅広く問われます。
場合によっては今後の法律のあり方について問う項目もあり、普段から自分の意見をしっかり持っておくことが重視されます。
物理・化学・生物|証明・論証に慣れておく
物理・化学・生物など理科科目については、証明・論証に慣れることが大切です。
一見すると単元ごとに独立した知識を活用するように思われがちですが、実は単元を横断した問いを出題しやすい科目であり、複合的な知識が問われます。
数式を用いた算出や用語の暗記だけでなく、実験データを用いた問題にも慣れておきましょう。
いわゆる「捨て単元」がないため苦戦することが予測されますが、難易度そのものは高くないため基礎基本を重視した学びが重要です。
中央大学の受験対策としてよくない勉強法とは?
最後に、中央大学の受験対策としてよくない勉強法を紹介します。
下記に当てはまる勉強法をしている方は、特に注意しましょう。
GMARCHをすべて同じように対策する勉強法
関東の難関私立大学群を総称する「GMARCH」ですが、各大学ごとに出題傾向が異なります。
例えば青山学院大学と立教大学は特に英語のレベルが高く、長文問題のボリュームが多かったり問いも解答もともに英語だったりすることが見受けられます。
一方、法政大学の英語では長文のボリューム自体はそう多くないものの、基本的な語彙・文法問題が多くスピーディーな解答が求められることに注意しておく必要があります。
すべて同じように勉強しているだけでは対応しきれず、どの大学でも中途半端に点を取りこぼしかねません。
第一志望を早めに決め、まずはその大学の出題傾向を理解するところから始めましょう。
過去問を参考にしない勉強法
過去問からは、出題傾向のみならず出題者側の狙いや大学が求めている学力レベルなどさまざまな情報を読み取れます。
一般的な教科書・参考書を用いて勉強することももちろん大事ですが、過去問を参考にした勉強法も必ず取り入れておきましょう。
また、余裕があれば少し早めに過去問へチャレンジすることも重要です。
そのためには早期の段階で受験当日までのスケジュールを立て、全体を俯瞰して勉強していくことが重要なのです。
まとめ
中央大学に合格するには、学部ごとの偏差値や科目ごとの出題傾向を正しく理解しておくことが欠かせません。
効率よく確実に偏差値を伸ばすためにも、今回紹介した内容を参考に受験までのスケジュールを立ててみましょう。