中央大学には、全学部共通試験が存在します。
全学部共通試験とはその名の通り対象学部の全てで同じ入試問題を活用する方式であり、合否は学部ごとのポリシーに従って個別に判定されます。
今回は、中央大学の全学部共通試験について解説します。
一般入試との違いや難易度にも触れるので、参考にしてみましょう。
中央大学の試験方式は? 統一入試・一般入試の違いとは?
まずは、中央大学の試験方式を全て解説します。
それぞれの特徴を理解するためにも、まずは目を通してみましょう。
6学部共通選抜(統一入試)
6学部共通選抜とは、学部共通の問題で試験を実施し、1回の試験で複数の学部・学科・教科型に出願できる手法です。
試験は全学部ともに共通で、英語・現代文・古文・地理歴史および公民(日本史・世界史・政治経済から1科目)・数学のなかから3教科3科目を選択します。
法学部および国際経営学部は4教科での受験もでき、3教科型と4教科型の併願も可能です。
学部別選抜 一般方式(一般入試)
各学部による個別日程試験で、中央大学独自の個別試験の得点で合否を判定します。
全学部・全学科で実施され、募集人数が一番多い入試です。
学部別選抜 英語外部試験利用方式
経済学部、理工学部、文学部(学びのパスポートプログラムを除く)、総合政策学部、国際経営学部、国際情報学部で実施します。
個別試験の受験教科および合否判定における、各種英語資格、検定試験の級・スコアの取扱いについては学部によって異なります。
学部別選抜 大学入学共通テスト併用方式
法学部、経済学部、商学部、理工学部、総合政策学部、国際経営学部、国際情報学部で実施します。
大学入学共通テストの指定科目の得点と中央大学独自の入学試験(理工学部以外は当該学部の一般方式)の指定科目の得点を合計して合否を判定します。
大学共通テスト利用選抜(単独方式)
前期選考と後期選考があり、前期選考では全学部(理工学部数学科を除く)で、後期選考では、理工学部を除く文系学部(7学部)で実施します。
大学入学共通テストの指定科目の得点のみで合否を判定します。
学部・学科や教科によって、受験教科・科目や、合否判定に使用する教科・科目が異なります。
中央大学の全学部共通の「6学部共通選抜」の入試傾向は?
下記では、中央大学「6学部共通選抜」の入試傾向を紹介します。
教科別にピックアップしますので、受験勉強にお役立てください。
英語
年によって読解問題のテーマは異なりますが、社会・文化・国際などのテーマを扱う傾向が強いです。
反面、テクノロジーや生命科学に関する出題は少なく、専門用語の暗記は少なくて済むでしょう。
一方、基本的な英単語は幅広く網羅し、ひとつの和訳に限定しない柔軟かつフレキシブルな読解の基礎となることが求められます。
単語やイディオムを知らないとそもそも解けない問題が多いため、テーマ別の対策をするより基礎力を重視する対策の方がよさそうです。
試験開始と同時にまずは全体的に軽く目を通し、時間配分を大まかに決めておくことが肝心です。
国語
中央大学の現代文は、問題文の量が多い傾向にあります。
目を通しているだけであっという間に時間が経過してしまいますので、ある程度テクニックに頼った読解が必要になるシーンが出てくるでしょう。
長文問題に取り組むときは、常にストップウォッチを携帯しながら時間を意識していくことが重要です。
一朝一夕には身につかない能力ですので、長期的なトレーニングが欠かせません。
また、社会論・芸術論・コミュニケーション論・政治論・経済論など内容は多岐に渡りますが、堅めの文体で記されていることが多いため、慣れておきましょう。
新聞の経済面・国際面などを活用し、文に触れる機会を多くするのがポイントです。
古文は、他大学と比較しても標準的なレベルです。
まずは基本的な古文単語をマスターし、読める文章の幅を増やしておきましょう。
特に、文脈により意味が異なる古文単語が頻出である傾向が強いため、注意が必要です。
丸暗記だけに頼らず、文中での使い方も意識しながら覚えましょう。
助詞・接続詞など現代文の論説文を読む際に必要な文法は、古典でも同様に抑えておく必要があります。
文章内の位置関係だけでは憶測できないような古典文法も多いため、「現代語訳ならこうなるはず」という先入観を持たずに取り組むのがポイントです。
社会
中央大学の日本史・世界史は、僅かな違いを指摘するようなややこしい正誤問題が多いです。
日本史・世界史の勉強をする際はどうしても新出単語の暗記ばかりに気を取られてしまいますが、年号・人物・地域に至るまで、関わる全てを暗記する必要があるでしょう。
単語をバラバラに覚えるのではなく、前後関係や因果関係を理解しながら知識として定着させることが欠かせません。
また、どの学部でも、必ずと言っていい程史料問題が出されています。
学部によっては資料集に掲載されていない史料を活用することもありますので、初見レベルを高めておく必要があるでしょう。
見たことのない史料のどの部分に着目するか、いくつかパターンを見て慣れておくのがよいでしょう。
数学
中央大学の数学に目立つ難問・奇問が出るケースはほとんどありません。
そのため、国公立や早慶にも対応できるような高いレベルの対策をするよりは、基礎・基本寄りの対策に時間を割き、何度も同じ難易度程度の問題を反復するのがよいでしょう。
ただし、微積分に限っては他よりも難易度が高めに設定されている割合が高いため、微積分単元のみハイレベルな対策をしておくことをおすすめします。
そう難しい問題は出題されないため、まずは「点を落とさない対策」を重視しましょう。
中央大学の全学部の2023年入試日程・検定料は?
最後に、中央大学の入試日程および検定料をお知らせします。
出願の際には最新情報を確認のうえ、もれなく手続きしていきましょう。
2023年の入試予定日程(2022年5月現在)
2023年の入試予定日程は、下記の通りです。
なお、入試形態により日程が異なるので注意しておきましょう。
・6学部共通選抜(法学部・経済学部・商学部・文学部・総合政策学部・国際経営学部)
出願締切:2023年1月24日(火)
試験日:2023年2月9日(木)
合格発表:2023年2月20日(月)
・法学部(一般試験)
出願締切:2022年1月24日(火)
試験日:2023年2月12日(日)
合格発表:2023年2月24日(金)
・経済学部(一般試験Ⅰ)
出願締切:2023年1月24日(火)
試験日:2023年2月14日(火)
合格発表:2023年2月25日(土)
・経済学部(一般試験Ⅱ)
出願締切:2023年1月24日(火)
試験日:2023年2月15日(水)
合格発表:2023年2月25日(土)
・商学部(一般試験Ⅰ)
出願締切:2023年1月24日(火)
試験日:2023年2月11日(土)
合格発表:2023年2月22日(水)
・商学部(一般試験Ⅱ)
出願締切:2023年1月24日(火)
試験日:2023年2月13日(月)
合格発表:2023年2月24日(金)
・理工学部(一般試験)
出願締切:2023年1月24日(火)
試験日:2023年2月15日(水)
合格発表:2023年2月26日(日)
・理工学部(大学入学共通テスト併用方式)
出願締切:2022年1月13日(金)
試験日:2023年2月8日(水)
合格発表:2023年2月19日(日)
・文学部(一般入試)
出願締切:2023年1月24日(火)
試験日:2023年2月10日
合格発表:2023年2月21日
・総合政策学部(一般入試)
出願締切:2023年1月24日(火)
試験日:2023年2月16日(木)
合格発表:2023年2月26日(日)
・国際経営学部(一般入試)
出願締切:2023年1月24日(火)
試験日:2023年2月10日(金)
合格発表:2023年2月19日(日)
・国際情報学部(一般入試)
出願締切:2023年1月24日(火)
試験日:2023年2月11日(土)
合格発表:2023年2月22日(水)
基本的に、大学入学共通テストを利用する入試形態の出願締切は2023年1月13日(金)です。
大学入学共通テストを受験してすぐのタイミングなので、もれなく手続きしておきましょう。
反対に、一般入試をはじめとする中央大学オリジナルの入試に出願する場合、締切は2023年1月24日(火)であることがほとんどです。
ただし受験当日の日程や合格発表までのスケジュールは学部ごとに異なります。
併願時の検定料は試験ごとに要チェック
併願時の検定料は、通常の検定料と異なります。
また、試験によって金額にバラつきがあるので、下記の通り確認しておきましょう。
通常の入学検定料
6学部共通選抜:3万5,000円
一般入試:3万5,000円
英語外部試験利用方式:3万5,000円
大学入学共通テスト併用方式:3万5,000円
大学入学共通テスト利用選抜:1万5,000円
【併願】6学部共通選抜
1出願目:3万5,000円
2出願目:1万5,000円
3出願目:1万5,000円
4出願目:1万5,000円
ただし、2出願目以降の割引が適用されるのは「同じ入試形態で2出願目以降をした場合のみ」に限定されます。
例えば1出願目を学部一般方式、2出願目を大学入学共通テスト利用方式にした場合、それぞれで3万5,000円がかかるので注意しておきましょう。
まとめ
中央大学には、学部共通の問題で試験を実施し、1回の試験で複数の学部・学科・教科型に出願できる手法である「全学部共通入試」が存在します。
効率よく受験したい方は、入試日程・検定料も参考にしながら出願手続きをしていきましょう。
今回紹介した出題傾向も参考に、早めの段階から受験対策を練っていくことも重要です。