中央大学には、旧・AO入試である「総合型選抜」があり、自分の得意分野で合格を掴むことができます。
ただし、受験条件が厳しく高校在学中からの優れた実績が求められることや、年度により倍率・日程が異なることに注意しましょう。
今回は、中央大学総合型選抜(旧・AO入試)の特徴について解説します。
中央大学の総合型選抜入試とは?実施学部や要項・2023年度の日程
中央大学における総合型選抜入試は、「チャレンジ入試」の名前で知られています。
下記で概要を解説するので、自分に出願資格があるか確認しておきましょう。
総合型選抜入試=法学部の「チャレンジ入試」
中央大学の総合型選抜入試(チャレンジ入試)は、法学部でのみ実施されています。
他の学部でも従来のAO入試に近い入試形態が取られていますが、総合型選抜入試ではない点に注意しましょう。
法学部のアドミッションポリシーは?
中央大学法学部のアドミッションポリシーは、下記の通りです。
なお、アドミッションポリシーとは「入学者受け入れの方針」を指す言葉であり、「中央大学はこんな学生を求めている」と明文化されているのが特徴です。
下記に該当する人でないと総合型選抜入試で合格するのは難しくなるので、事前に確認しておきましょう。
法学部は、法学及び政治学の分野に関する理論と諸現象にかかる教育研究を行い、幅広い教養と深い専門的知識に裏打ちされた理解力、分析力及び問題解決能力を涵養し、現代社会のさまざまな分野において活躍することのできる人材を養成することを目的としています。
この目的を達成するため、次のような学生を求めています。
- 自分自身を含めた身近な問題に対する真剣な関心を持つ人
- 物事を厳密に考え、批判的に捉える思考ができる人
- 健全で強い倫理観・責任感を持つ人
以上に基づき、次のような知識・能カ・態度等を備えた学生を多様な選抜方法によって受け入れます。
- 高等学校で履修する国語、地理歴史、公民、数学、外国語、理科の内容について幅広くかつ十分な学習を積んでいる。(知識、技能)
- 論理的かつ合理的な思考力を備えている。(思考力、判断力)
- コミュニケーション力、理解力、読解力、文章力、批判的思考力を備えている。(思考力、表現力、判断力)
- 社会への理解力、洞察力、自然界や環境についての理解力を備えている。(思考力、判断力)
- 学修や周囲に対して主体性をもって関わっている。(主体性、協働性)
要項①:募集人数と出願条件は?
チャレンジ入試の募集人数および出願条件は、下記の通りです。
【募集人員】
・法律学科:30名
・国際企業関係法学科:30名
・政治学科:30名
【出願資格】
①法律学・政治学を学ぶうえで必要な知識・学力を有し、それを基礎として社会問題等に対して優れた思考力、判断力を有する者。
②関係者とコミュニケーションを図りながら、協働して問題解決を図る姿勢と能力を有する者。
③将来、以下の3つの部門のいずれかにおいて社会及び自己の未来を切り拓く夢を持ち、その夢に挑戦する意欲と能力のある者。
・リーガル部門(法曹、企業法務、市民活動等の法的な分野での問題解決をめざす者)
・パブリック部門(国、自治体、メディア、NPO 等の公共的な分野での問題解決をめざす者。)
・グローバル部門(国際機関、国際的企業、NGO 等のグローバルな分野での問題解決をめざす者)
④上記の夢を実現するために、これまで意識的に学修に取り組むとともに、課外の活動(ボランティア活動、地域活動、学術・文化芸術活動等、正規の教育課程のほかに実施した活動)に積極的に取り組み、優れた成果を挙げた等卓越した経験と実績を有する者。
要項②:2023年度分の日程はいつ?出願期間&2次選考試験日は?
チャレンジ入試2023年度の日程は、下記の通りです。
【試験日程】
出願期間:2022年9月1日(木)~9月7日(水)
1次選考(書類選考)合格発表:2022年10月15日(土)
2次選考:2020年10月29日(土)多摩キャンパスにて
2次選考合格発表:2022年11月8日(火)
要項③:提出書類は?評定は必要なのか?
チャレンジ入試の提出書類は、下記の通りです。
- 高等学校の調査書等
- 自己アピール書
- 志望理由書
- 志望者経歴書
- 【任意提出】自己アピール書と志望理由書の付属資料
- 【任意提出】推薦書
- 【任意提出】外国宜雄外部検定試験の証明書
- 【該当者のみ】最終出身学校の卒業証明書・成績証明書
なお、出願のため一定の評定平均が求められることはありません。
しかし「高等学校の調査書等」には成績を記載しておく必要があり、評定平均が書類選考の材料となっている可能性は十分に考えられます。
「英語が得意」と話しているにも関わらず英語の評定平均が低いと説得力に欠けるので、総合的な合理性の判断に使われているケースもあります。
要項④:選考方法!1次選考と2次選考
チャレンジ入試は、1次選考と2次選考とに分かれておこなわれます。
下記で具体的な入試内容を解説します。
1次選考は書類選考
1次選考は、書類選考です。
出願時に提出した「高等学校の調査書等」「自己アピール書」「志望理由書」「志望者経歴書」をもとに選考されるので、入試会場まで出向く必要はありません。
なお、1次選考の合格発表は「UCARO」において2022年10月15日(土)11:00からおこなわれます。
2次選考は試験と面接
2次選考は、試験と面接が実施されます。
1次選考合格発表以降「UCARO」にて受験票を取得できるので、各自印刷のうえ忘れずに持参しましょう。
まずは、45分程度の講義を聞き、75分で論述を作成する「講義理解力試験」がおこなわれます。
講義のテーマは受験者にもわかりやすいよう専門的な知識がなくても理解できるものになっていますが、内容理解力や自分の意見をまとめて伝える高度な力が求められるので対策しておきましょう。
その後は1名ずつ15分程度の面接があります。
なお、過去の「講義理解力試験」では下記のような出題がされています。
問1:法の支配が実現を目指すものとして、どのようなことが主張されてきたか。大きく二つに分け、それらの違いがどこにあるのかも含め、150字~200字で説明しなさい。
問2:次の設例において、X国によるS氏の逮捕は「法の支配」に適っていることになるか。問1の解答を踏まえ、300字~400字で説明しなさい。
【設例】
X国の大企業の幹部でX国のP氏がY国を訪れていたとき、Y国政府は、P氏がかつて自社の活動に関する虚偽の申告をY国政府に対して行いY国の安全を損なったとして、「国土安全保障法」に基づきP氏の身柄を拘束した。
するとX国政府はその5日後に、X国に滞在していたY国籍のS氏がスパイ活動を行い「国家機密保護法」に反した疑いがあるとして、S氏を逮捕した。X国ではこれまで何度か、外国人がスパイ活動の容疑で身柄を拘束され、拘束中に「病死」したり、裁判で死刑判決を受けたりしたことがあった。
他方でX国政府は、外国で身柄を拘束された自国民が解放されると、スパイ容疑で身柄を拘束していた外国人を「嫌疑不十分」として、あるいは恩赦によって、解放することが多かった。Y国政府はP氏を釈放すべきか、迷っている。
問3:前問の設例において、Y国政府はP氏を釈放すべきか。講義の内容や問1・問2への解答を踏まえつつ、あなたの考えを、その理由とともに、200字~300字で述べなさい。
中央大学の総合型選抜入試の過去の試験データと倍率
過去の総合型選抜入試(チャレンジ入試)のデータは、下記の通りです。
【2022年法律学科】
・志願者数:158名
・書類審査合格者数:42名
・最終合格者数:25名
【2022年国際企業関係法学科】
・志願者数:21名
・書類審査合格者数:9名
・最終合格者数:1名
【2022年政治学科】
・志願者数:108名
・書類審査合格者数:32名
・最終合格者数:18名
【2021年法律学科】
・志願者数:171名
・書類審査合格者数:39名
・最終合格者数:24名
【2021年国際企業関係法学科】
・志願者数:33名
・書類審査合格者数:9名
・最終合格者数:5名
【2021年政治学科】
・志願者数:127名
・書類審査合格者数:28名
・最終合格者数:18名
中央大学特別入試の入試形式とそれぞれの特徴
最後に、中央大学にあるチャレンジ入試以外の特別入試も全種類解説します。
一般入試や共通テスト利用入試以外にどのような合格の道があるのか、調べてみましょう。
自己推薦入学試験
自己推薦入学試験は、国際経営学部で導入されている入試形態です。
【募集人員】
25名
【出願資格】
①TOEFL iBT®(Edition は問わない)72 以上
②TOEIC®L&R 785以上 かつTOEIC®S&W 310以上
③IELTS(アカデミック・モジュールに限る。CDIを含む) 5.5以上
④実用英語技能検定(英検CBT、英検S-CBT、英検S-Interviewを含む)CSE2.0スコア 2304以上(受験級は準1級以上に限る)。
また、評定平均が3.8以上の者。
【試験日程】
出願期間:2022年9月1日(木)~9月7日(水)
1次選考(書類審査)合格発表:2022年10月15日(土)
2次選考:2022年10月29日(土)
2次選考合格発表:202年11月8日(火)
高大接続入学試験
高大接続入学試験は、中央大学経済学部で導入されている入試形態です。
【募集人員】
全学科ともに若干名
【出願資格】
①日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験2級以上または公益財団法人全国商業高等学校協会主催簿記実務検定試験1級の合格。
②情報処理推進機構が実施する基本情報技術者試験または応用情報技術者試験の合格。
③本学主催の「高校生地球環境論文賞(2021年度をもって廃止)」、または都道府県レベル以上の広域で募集を行っている環境問題、社会福祉、社会保障問題をテーマとする懸賞論文等において、個人・団体(主たる執筆者に限る)による作品が入選以上の表彰をされた者(出願期間までに受賞した者に限る)。
④2020年1月1日から2023年3月31日までに国際バカロレア資格を取得した者または取得見込みの者。
⑤本学経済学部科目等履修生(高校生対象)として、2021年度~2022年度開講の「経済入門」を履修し、A以上の成績を修めた者
【試験日程】
試験日時:2022年10月29日(土)多摩キャンパスにて
合格発表:2022年11月7日(月)
高大接続型自己推薦入学試験
高大接続型自己推薦入学試験は、理工学部で導入されている入試形態です。
【募集人員】
1~8名程度
【出願資格】
理工学部で学習するための学習意欲、創造性をアピールするものを持っている者。
例えば、以下①~⑥に該当する経験に基づいていることが望ましい。
①各種科学賞(例えば、日本学生科学賞)や全国工業高等学校長協会ジュニアマイスター顕彰制度への応募経験。団体で参加した場合は出願者の役割を出願書類に記載すること。
②各種ものづくりコンテスト(例えば、高校生ものづくりコンテスト、若年者ものづくり競技大会)への参加経験。団体で参加した場合は出願者の役割を出願書類に記載すること。
③各種ロボットコンテスト(例えば、全国高等学校ロボット競技大会(県大会含む)等)への参加経験。団体で参加した場合は出願者の役割を出願書類に記載すること。
④技能五輪(例えば、技能五輪全国大会等)への参加経験。
⑤スーパーサイエンスハイスクールにおいて実施した課題研究への取り組み。グループで実施した場合は出願者の役割を出願書類に記載すること。
⑥海外に居住した経験や、現地の高等学校等で教育を受けた経験およびその経験に基づいた外国語能力、外国文化への理解やそれに対して吸収する意欲、好奇心を有し、アピールできること。
【試験日程】
出願期間:2022年9月15日(木)~9月22日(木)
1次選考(書類選考)合格発表:2022年10月21日(金)
2次選考:2020年11月12日(土)
2次選考合格発表:2022年11月18日(金)
まとめ
中央大学は、学部ごとに導入されている総合型選抜が異なります。
また、受験日程や募集要項も大幅に異なるので、事前にチェックして臨みましょう。